ストレスの多い世の中、ともすればなんでも急いでしまう傾向があります。そうすると呼吸が浅くなり、脳や自律神経に良くない影響を与えてしまいます。
ストレスに負けない体を作っていくには呼吸はとても大切です。
自然に備わった身体のメカニズムを利用して、健康を増進し、どうすれば個人のヘルスケアを助けていけるかをご一緒に考えて行きましょう。
先ずあたりまえの行為ですが意外と意識していない「呼吸」を考えて行きましょう。
「息」呼吸:深くゆったりした呼吸は自然治癒力を向上させる。
息が数分止まれば死に至ることからも分かるように、呼吸は私達を元から支えている最重要なもの、命そのものと言っても過言ではありません。
普段何気なく行っている呼吸(意識してない方がほとんどではないでしょうか)はその人の健康状態を大きく左右します。
毎日の行動、歯磨き、運転、お料理、パソコン、入浴、etc…私達は無意識のうちに体を緊張させています。(ストレスがかかっている)これによって大きな影響を受けるのが「呼吸」です。
どうも現代人の多くは、体の緊張によってじっと息を殺しているように呼吸が浅く、事あるごとに息を止めてしまう癖が染みついているそうです。
人間は1日約3万回呼吸をすると言われています。ですからこの呼吸の質はその人の健康状態をも大きく左右します。
浅い呼吸は体に様々な不調をおびき寄せます。日々積み重ねる悪い呼吸の癖や緊張体質がピークに達した時に身体は不調や病気を表に出してきます。
ですから「深くてゆったりした呼吸」を心がけましょう。そうすれば自分の自然治癒力を向上させます。
呼吸の質を変えると体調が改善されるという例は、伝承医学の経験例からも沢山報告されています。なぜでしょうか
緊張と力みの連鎖が呼吸を浅くする。
その人の呼吸の状態は、動きを見ればわかります。呼吸が乱れている時には、体の動きにも必ず乱れが生じます。逆に呼吸が落ち着くと心が安定し、体の動きにもゆとりが出てきます。
呼吸は体の動きを映す鏡のようなものなのです。
呼吸は、膨らむ、しぼむのリズムに従って、体の中心から手足の末端へ、そして末端から中心へ向かって血液、リンパ液、体液などと共に全身を巡っています。このスムーズな呼吸循環こそが人間の自然治癒力を向上させ、病気のない健康な体へと導く重要なポイントになります。
ところが、体が緊張すると血流が圧迫されて虚血、酸欠状態になり、また関節も締め付けられて呼吸が浅く、途切れがちになります。そして質の悪い呼吸は免疫機能を低下させ、自然治癒力を損なうという悪循環に陥ってしまうのです。
では浅く、途切れがちな呼吸を招く些細な緊張や力みはどこからやってくるのでしょうか?
実は手から生じていると考えられます。例えばシャンプーをする手に不必要に力が入ると、そこで生じた緊張が肩、首、そして呼吸循環の中枢である体幹を固めて呼吸を浅くします。
ただ単に歯磨きをしたり、シャンプーをしているだけなのに必要以上に力が入っていることに気づくことはありませんか、同様の緊張と力みの連鎖は足から入ることもあります。
足先から入った力みが、膝、股関節を通って体幹へと波及し、深い呼吸を妨げます。末端から始まる緊張と力みの連鎖が、浅く止まりやすい呼吸に繋がるのです。
この様なシステムは現代のスポーツをする人、また古来の武道や弓道、茶道や舞楽等にも「呼吸を整える」とかよく言われていることです。では呼吸の質を改善するためにはどうすれば良いでしょうか?
身体の中心で深く呼吸をする。
呼吸には「吸う」「止める」「吐く」の三つしかありません。では今の自分の呼吸が楽かどうか、安定してるかどうか、という基準を持ってみましょう。これら三つの呼吸に慣れ、強化して呼吸力を養う事、そして自分の呼吸の癖に気づき改善して行きましょう。
「一分呼吸法」
① 20秒かけて鼻から吸う。 ②20秒止める。 ③20秒かけて口から吐く。 この一分呼吸を無理をせずに慣れるまでやってみましょう。
慣れないうちは20秒息を続けることが難しいかもしれません。最初は3秒、慣れれば8秒少しづつ時間を延ばして、最終的に合計1分で一呼吸出来ると良いですね。
1分呼吸を行うと自分の呼吸の癖が分かり質の良い呼吸が楽に出来るようになります。さらに全身が温かくなり気持ちが落ち着くと言った様々な効果を得られます。
「両手を合わせる呼吸法」
現代人に多い、浅く止まりやすい呼吸は、胸の上部で行われています。こうした呼吸では息を体の芯まで取り込めず、体の前面に散らばるように逃してしまって身体の芯まで届きません。そこで無駄を省きすべての息を逃さず、身体の芯まで深く入る呼吸を身に着ける方法として「両手を合わせる呼吸法」を身につけましょう。
① リラックスした状態で胸から離した状態で両てのひらを合わせましょう。 そして普段通りの深呼吸を5回行います。 ②合わせた手のひらを胸に近づけ、お腹の奥まで呼吸を通しましょう。 合わせた手の親指の方を胸の中心に付けて、肘を少し前に出し、深呼吸をします。鼻から吸った息が胸を通ってお腹の奥まで落ちるイメージで呼吸します。
この姿勢で呼吸するのは「うちまき姿勢」と言って身体を内側に巻かせた状態で呼吸を逃さず、体の中心に深く落とせるからです。注意する点としては、両手に力を込めない事です。
力を込めると体が緊張して息が入らなくなります。両手をバンザイした状態からそのままスーッと胸の前に卸すと体から無駄な力が抜ける状態になります。姿勢も反り返らず、美姿勢を維持しようとせず、リラックスしてうちまき姿勢を身につけましょう。
二つの呼吸法を通して、鼻から吸った息が体の中心を通って腹の底にストンと収まっていく感覚を味わいましょう。
大切なことは一時的訓練で終わらせるのではなく、意識して継続的に行って普段の呼吸の質を高めていく事です。
深い呼吸の感覚を繰り返し身体に覚えこませることで、強く、太い呼吸軸が養われ、体の不調も改善していく事でしょう。
長い歴史を通じて人が受け継いできた呼吸。その一回一回が自分の健康を作り、未来の健康にも関係しています。自分の呼吸をこの機会に気づき意識してそれを改善していく事、ストレスの多い、困難な時代を乗り越えるヘルスケアの一つになります。
花ちゃんがわかったこと。
花ちゃん おばあちゃん、息しなかったら死んじゃうよ。息するってあたりまえだから、こんなこと考えなかったよ。「働く細胞」君は酸素を運んでくれているのは知っていたけど、すごいんだね、体の働きって。おばあちゃんのお話は花ちゃんには難しいからママに読んでもらって教えてもらっているけど「働く細胞」くん達だけでなく、なんか身体ってすごく上手くできているんだね。大切にしなくっちゃ!花ちゃん大きくなったら看護師さんになりたくなったわ。色んなこと知って勉強して、病気の人を助けてあげられるから。 おばあちゃん それはいいわね。おばあちゃんのお話を読んで、そこまで考えられたのはとっても嬉しいわ。ママからも栄養の事いっぱい教えてもらって、困った人を助けてあげられるのは最高のお仕事よ。