膝の痛みと治し方、姿勢とセルフケア。おばあちゃんの知恵「健康」

「ロコモティブシンドローム」ご存じですか?よくテレビでサプリメント等が宣伝されているのでよく聞かれているかもしれません。

膝痛や腰痛が原因で要介護になる人は高齢者の半分になると厚生労働省が言っていますから、早いうちからお金をかけないで、トラブルに対処できる方法を考えてみましょう。

膝痛で命を落とすことは無いでしょうが、膝が痛いと次第に外出が億劫になり室内にこもってあまり足を動かさないので、歩きにくくなり、寝たきりになるという事も考えられます。

膝の痛い人が寝たきりになる。なぜ?

膝の関節は体重を支える役割を担っています。首や腰もそうですが、膝は一番体重がかかるところです。歩くときは体重の約三倍、階段の上り下り、走る、跳ぶと言った動作は約八倍もの負荷がかかると言います。

日本の医療は安静思考が強くあまり動かさないようにと言われます。ヒアルロン酸やステロイドを注射し、だめなら手術をします。最近は手術をしないという広告をよく見ますが、自分でケアする方法はないのでしょうか?

膝は体の関節の中でも、自分でコントロールしやすいところですから、日々のケアによって膝を元気にさせることは十分可能ではないかと考えられます。

関節の痛みは姿勢と関連して起こります。

膝痛の方は、首や腰も痛かったり、そのような痛みと関連して起きやすくなります。なぜでしょう、共通するのは姿勢の悪さです。

姿勢を正すことで関連痛を予防改善することが出来ます。理想の姿勢とは、頭のてっぺんから、背筋、腰、膝、足まで一直線にまっすぐ伸びている状態です。

この姿勢を無意識に取れるのは子供だけで、十代になると背中を丸め、膝を曲げて立っている人が多いのはスマホのせいでしょうか。

昔の日本は正座の生活が多く、姿勢を正しなさいと良く言われたもので、今は洋風の椅子やソファーの生活がほとんどですから、あまり意識して正すことはしませんね。

長時間のデスクワーク、携帯電話やスマートフォンの操作、キッチンでの調理等々、現代の生活は一日の中でうつむいている時間が多く、長くなっています。姿勢の悪い状態が続くと、それが固定化し首がいつも前に出た「ストレートネック」という状態になり首の痛みが出てきます。

首の次に出てくるのが腰です。首が丸くなることで背骨も腰も丸くなり、すると腰椎に負担がかかり、腰が痛みます。そして最後に膝関節が体の重心をもろに受け、やがて痛みが現れてきます。

簡単に出来る膝のセルフケア、歩く

長年身についた姿勢を正すのは難しいものです。まずは自分の姿勢を鏡等で見て、自分の姿勢の悪い場所を意識しましょう。まずは膝を伸ばすという事を意識して膝から全身を整えて行きましょう。

先ず一番に正しく歩くことです。後ろ足の膝と股関節を十分に伸ばしながら歩くことです。歩かない座りっぱなしの生活と姿勢の悪さが膝痛の原因ですから、正しく歩くことを意識しましょう。

● 歩く時のポイント                                         ① 3対7の割合で後ろに体重をかけるように背筋をそらす。                        膝痛の人は膝が曲がり、背中が丸まっているので重心が前にずれています。背筋を思いっきり伸ばして胸を開くように体重の7割を後に掛けるぐらい大丈夫かなと思うぐらいに重心を意識して下さい。

② ゆっくり歩く。                                             速く歩こうとすると姿勢が前かがみになるのでかえって良くありません。あくまでも膝を伸ばすことに集中して、ゆっくり、丁寧に歩くことが大切です。

③ 5分間しっかり集中して歩く。                            1日一万歩等実践するのは大変です。少しづつでも毎日続ける方が効果的です。外の用事を一度に済ませずあえて分けて行う工夫をしましょう。天候,気候などは配慮しながら、午前は銀行、午後は買い物に行けば1日2回ウオーキングが出来ます。

膝痛を抱えている人は歩くことに不安があるかもしれませんが、痛いからこそ膝を伸ばすことを意識したウオーキングによって膝を伸ばし、うごかし、膝関節内の循環を良くして、全身の姿勢をも正して行けます。

膝関節体操

ウオーキングの途中で膝が痛くなってきた、疲れてきたと感じた時にやってみましょう。      ① 足を階段やベンチなどちょっとした高さのある所に乗せる。                 なるべく股関節を開くように脚を広げて(内ももの筋肉が伸びるイメージ)足をのせます。痛い方の足を入念に行いましょう。                                   ② 膝の裏をぴんと伸ばし膝の上からグーっと押します。                   ウオーキング中は体が温まっているためスムーズに膝を伸ばせます。

テニスボールで膝ストレッチ

膝痛の人は膝関節内に引っかかりがあるので、鋭角に曲げることが困難です。それをテニスボールを使って引っかかりを外しながら曲げてみましょう。                     ① 膝の裏にテニスボールを深く入れる。                           ② 両手で膝の下を持ち、ゆっくり体を近づけるようにして膝を曲げていく。            ③ 30秒キープして元に戻す。

ボールを押しつぶすように意識しながらじわーっと膝を曲げる。少し痛いけど気持ちいい感覚になるのがポイントです。左右一回ずつ行います。物足りない人は、1日3回までならOKです。

入浴中の膝の曲げ伸ばし体操

膝に痛みがあり、伸ばすのが怖いという方は、入浴中の曲げ伸ばしがお勧めです。           ① 浴槽に座って体を温める。                                入浴中は血液の循環が良くなり、痛みも和らいでいるので、膝をきちんと曲げ伸ばししやすくなります。                                                 ② 両脚を伸ばし、膝を手でグーっと押す。膝の裏を浴槽の底につけるようなイメージで              ③ 膝を曲げ両手で足をもってグーっと引き寄せる。かかとがお尻につくくらいまで十分曲げる。                                      浴槽が狭ければ良く温まって、出て体が温かいうちに行いましょう。

正座

正座は膝を最大限の180度折り曲げる座り方です。膝の可動域を健康な状態でキープするために是非1日1回10分ぐらいの短い時間でいいので、正座を生活の中で取り入れてみましょう。 正座が無理な場合は、入浴中の膝の曲げ伸ばし体操の後お湯の中でやってみましょう。

まとめ

関節の痛みは老化だけでなく、長年の生活の癖の積み重ねの結果かもしれません。これからでも遅くありません、以上のケア方法で姿勢を正し、膝関節を常に動かし続けて行けば、高齢になっても滑らかで十分な可動域を持った膝関節を保てるかもしれません。関節は急激に動くようになるものではなく、少しずつ、徐々に柔らかくなっていくものです。日々、根気強く膝をケアして、痛みを改善して快適な日々を送れますように。

 

 

 

 

 

 

 

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