「免疫」という言葉は医学の世界に登場して約100年になりますが、アレルギー、ホルモン,といった言葉と共に日常生活に溶け込んでいます。
先回のコロナの騒ぎの時には世界中で「免疫」「免疫」って言っていましたね。例えば、はしかは一度かかると免疫が出来て二度とかからないと言ったりしますよね。
免疫とは狭い意味で私たちの体の中の白血球や抗体の働きの事ですが、もう少し広い意味で考えて私たちのからだを守る仕組み(生体防御)といえます。
「免疫」とは、体を守るネットワークの一つです。
免疫とは、異物を排除する仕組みですが、私たちのからだは免疫系だけで守られているわけではありません。
免疫が正常に働くためには、神経系、内分泌系の応援が必要です。古くから「病は気から」という ことわざがあります。現代の医学では、これが本当であることが証明されています。
精神的ストレスが免疫を狂わせ病気を招きます。
また内分泌系(ホルモンなど)も免疫系に影響を及ぼします。
免疫異常の代表的な疾患である自己免疫系疾患(慢性関節リュウマチ、全身性エリテマトーデス等)が女性に多いのは女性ホルモンの関与が重要視されています。
この様に免疫系は、神経・内分泌の影響を受けて働いています。
免疫の仕組みを正しく働かせるためには、これらのバランスが大切なのです。
東洋医学の考え方にはよく似た「気」「血」「水」の考え方がありますが、東洋医学でもこれらのバランスを大切にします。
現代人に難病と指定されている免疫異常の病気が多いのも、複雑な世界になり,また大気汚染、農薬、化学薬品、添加物と言った体に入れる危険な異物が大量生産、大量消費の効率追求か ら人々の身体に影響を与えていることは間違いない事実と言えます。
では少し詳しく免疫の仕組みを見てみましょう。そうすることで健康を維持するうえで、日常どんな注意が必要かが分かってきます。
「免疫」のしくみ。異物排除
私たちの周囲には、多くの異物(細菌、ウイルス・・・)がいます。これらの異物は常に私達の身体を狙っています。異物は外敵だけではありません。
身体の内部で発生する異物(老化細胞、がん細胞・・・)もあります。
私たちのからだの中ではこれらの異物を排除するために、免疫を高めるため、免疫細胞は常に戦いを行っています。
異物との戦いは外からの異物の侵入を阻止するしくみと体内に侵入した異物及び体内で発生した異物を排除するしくみの二つの戦いに分けられます。
異物排除の基本は、自己(自分自身の組織)と非自己(自分以外の物)を見分けて自分以外のものを排除することなのです。
免疫の仕組みは一つだけではありません。異物の種類、侵入場所、その他の状況によりいくつもの仕組みが用意されています。
異物の侵入を阻止する。皮膚・粘膜・腸管などでの防御 (角質のバリア・粘膜のバリア・抗体(S-IgA)、リゾチームなど)
侵入した異物、体内で発生した異物をすばやく処理する。 (補体、赤血球、マクロファージ、好中球、T細胞、NK細胞、抗体など)
からだに住みついた異物を攻撃処理する。 (T細胞、B細胞、NK細胞、抗体、マクロファージなど)
異物の侵入を阻止するバリアと排除する免疫のしくみ
免疫の最前線「皮膚」
目、口などの粘膜を除けば、体表のほとんどが皮膚でおおわれています。成人での皮膚の面積はたたみ1畳ほどの広さです。表面はケラチンというタンパク質の角質層でおおわれています。
角質はわずか50分の1mm程度の厚さですが、外界からの異物の侵入を阻止する強力なバリアです。しかし角質も完全ではありません。ケガ、ヤケドなどにより破れると異物が容易に皮膚内に侵入します。
大ヤケドで広い面積を損傷すると種々の異物が侵入するので、感染症を防止するのが重要な処置の一つになるのです。
角質のバリアを突破し、皮膚に侵入した異物に対しては別の手段が用意されています。角質の下には免疫軍団の白血球が待ち構えています。
これには、マクロファージやリンパ球などがあり、侵入した異物に襲いかかります。皮膚の感染症でうみが出るのは、白血球が細菌と戦った死がいで免疫が働いた証拠なのです。
免疫の最前線「皮膚」は免疫にとって重要な異物の侵入を阻止する免疫の仕組みの強力なバリアなのです。
粘膜での特別な免疫の仕組み、異物侵入阻止バリア。
私たちの体表は、外見上ほとんど皮膚ですが、実は外界と接している面積は粘膜が圧倒的に広いのです。口から肛門までの消化器系の経路はすべて粘膜でおおわれています。
この経路は皮膚と同じく外界と接している外側なのです。小腸だけで表面積は、400㎡もあると言われています。
粘膜は、外気、食べ物などの異物と接触する機会の多い場所で、皮膚同様異物の侵入を阻止する重要なバリアなのです。
粘膜のバリアは皮膚のような角質層がないため、特別の防御のしくみが用意されています。
リゾチーム、ラクトフェリン、抗体などが粘膜を襲う異物の侵入を阻止します。粘膜のバリアを突破し、侵入した異物は、免疫軍団の白血球(マクロファージ、Tリンパ球・・・)が総力をあげて排除します。
凄いですね免疫の異物排除のしくみは。このしくみを知って、皮膚や粘膜を守るよう、日常生活で出来ることは、手指や体を清潔に、粘膜で保護されている、体の中も空気が通っているので身体に入れる食べ物、飲み物、にも気をつけましょう。
「免疫」免疫力を高める免疫の仕組み、花ちゃんがわかったこと。
おばあちゃん 「花ちゃん(花子ちゃん小学生の孫)おばあちゃんのブログ、ママが読んでくれているんだけど、花ちゃんわかるかな?」 花ちゃん 「むつかしいよ。ママが説明してくれたけど、むつかしよ。でも私のからだってすごい仕組みがあるってことは働く細胞って漫画があるんだよ。それでだいぶわかったの。おばあちゃんの説明よりずーっとわかるよ。おばあちゃんも読んだら?」 おばあちゃん 「へーそうなんだ、そんな漫画が流行っているのね、」 花ちゃん 「そうだよ。バイキンマンがいっぱいお外にいるけど、働く細胞君たちが頑張ってるんだよ。それから皮膚も守ってくれるんだね。ママや先生が言うようにうがい、手洗いをきっちりしないといけないね。それからケガもしないように気をつけよう」 おばあちゃん 「そうだよ。花ちゃん、よくわかってくれたよね。食べる物にも注意しようね。」 花ちゃん 「言われてみればそうなんだ。口からお尻まで空気が通っているんだ!びっくり」 おばあちゃん 「よかった。これから暑くなるけど、冷たい物ばかり食べていると、おなかが寒い寒いて言ってバイキンマンに負けてしまうから注意しようね。」 花ちゃん 「働く細胞って漫画をおばあちゃんに見せてあげるよね。」 おばあちゃん 「ありがとう」 花ちゃん 「すごく流行ってんだよ。おばあちゃんのブログよりも良くわかるよ!」