「健康」とは、イメージしてみてください。海で船やヨットがすいすいと走っている様子を思い浮かべませんか、風や嵐が来て船やヨットが傾いて、危ない!転覆しないように、かじや帆を切って、元に戻って、何とか嵐を切り抜ける。こんな感じですね。 ( https://tahibotya.com/touyouigaku-yobouha-tiryouni-masaru-129 参考に見てください。)
東洋医学の考え方には、「未病」という考え方があります。
「未病」とは恒常性が崩れかけていて、そのままほおっておけば完全に転覆する状態の事です。
自然の恵みの一つ「恒常性」、「未病」から「健康」へ私達には何が出来る?
恒常性が健全に保たれている状態を「健康」と考えました。恒常性が崩れかけている、転覆しそうな状態を「未病」と表します。恒常性が崩れ、船がひっくり返って、元に戻らなくなってしまった状態を「病気」と東洋医学では考えます。
ただ、この状態にははっきりした境界線があるわけでなく、連続的に移行している状態と考えられます。今は皆さんは西洋医学が中心ですから、この考え方は分かりにくいかもしれません。
東洋医学での「未病」は、検査で明らかな異常がなく、明らかな症状もないが、少し調子が悪い状態で病気になる前の不安定な状態を言います。
この不安定な状態をいち早くキャッチして、早い目に改善を図れば未然に発病が阻止されます。つまり、病気になることを防ぐことがができるのです。
自然の恵みを理解している「東洋医学」未病の内に病を治す。
中国では本物の医者は発病してからではなく、未病の段階で異常を察知し、速やかにその症状に対応して病の芽を摘む医者が本物の医者だと言われています。
今、私達がかかっている西洋医学では、未病のことなど考えません。発病してから初めて治療に取り掛かります。
検査で異常が発見されるか、明らかな症状が出るようになるまでは病気と見なしませんし、治療も行いません。
明らかな証拠を示さなければ、医者は動いてくれません。
例えれば火事が起きて、大きな炎が出てきてから消火活動を始めます。一方、東洋医学は火事になってからではなく、火事になりそうな危険な場所をあらかじめ点検をして、火事にならないように対応します。
もちろん、火事になってしまえば、とりあえず火の勢いを抑えるためにも西洋医学は必要です。
しかし、火事の防止や、再発を防ぐことも大切なことです。
東洋医学では未病の段階で、微小な異常を察知し、自然の恵みを用いて、自己治癒力を高め、いち早く対処していこうとします。
西洋医学の方が積極的アプローチとみんな思っていますが、自然の恵みで、個人個人の自己治癒力を発揮させて、未病の内に対処しようとする東洋医学は意外と攻めの医学で、より積極的考えだと思えます。(https://tahibotya.com/tikyuuno-jikosyuufukuryoku-136を参照して下さい。)
東洋医学の考え方は、自然の恵みで自己治癒力を高める事です。
東洋医学の考え方は、自己治癒力を高めることだと言ってきましたが、今の私達も、もっと東洋医学の考え方を取り入れて、急増する慢性疾患に対処する方法を知恵を得ていきませんか。
西洋医学は20世紀になって素晴らしい進展がありました。抗生物質が発見され、有効なワクチンが開発され続けてきました。身近なところではコロナウイルス等、命を脅かす感染症に立ち向かい、感染症は激減しました。
しかし、20世紀になり、情報、流通等、世界のグローバル化により食生活の環境が急速に変わり生活習慣も変わってきました。
その結果、循環器疾患、アレルギー疾患、メタボリックシンドローム、膠原病などの慢性疾患が増えてきました。
これらの慢性疾患は西洋医学的な治療法だけでは限界があり、根本治療も困難です。
根本治療はどうしても生活習慣を根本から変え自己治癒力を高めることが必要となりますから、 心と身体を一体とし、体全体のバランスを取り戻すことで病気を治すという東洋医学の考え方が必要となってきます。
さらに東洋医学には”気”という生命エネルギーの考え方もあり、生命を臓器の集まり部品とみる西洋医学(近代医学)とは違った考え方をして、全人的な考えのもとで医療を施す特徴があります。
数千年の年月と経験を重ね、積み上げられてきた「東洋医学」の考え方に今注目される時だと考えられます。
最近中国では西洋医学と東洋医学の良いところを組み合わせた「中西医結合医療」という分野が主流となり、がん治療など西洋医学で初期治療を行い、その後東洋医学(中国では中医学という)を用いて養生をして行くという考え方の医療へ変わっていっているそうです。
日本は西洋医学一辺倒なところがあり、ガンなどの予後も再発転移が半数を占めています。ここで積極的に東洋医学の考え方を取り入れ予後の治療をケアしていければもっと再発転移が少なくなるかもしれません。
日本でも統合医療という考え方の医療機関もあり、東洋医学や食事療法を取り入れている病院もありますが、保険が効かないなど、どうしても西洋医学に偏り、普及が難しい事もあります。
「健康」と「病気」の境目、東洋医学の「未病」の考え方を学んで日頃の健康知識に加えて行きましょう。
次回は自己治癒力を高めることについて、お話していきましょう。