健康と病気の分かれ道、未病で気が付き、自然の恵みを知って自分の不調を治して行きましょう。おばあちゃん薬剤師の知恵。

「暑さ寒さも彼岸まで」、昔の人の経験と知恵はすごいですね。

秋分の日が近づくにつれ、一段と朝夕が涼しくなってきました。そろそろ秋の気配がします。

夏場は暑いので(今年は猛暑でしたね)表皮が開いて汗で老廃物を出してくれましたが、秋になってくると朝晩冷え表皮は閉じ、さらに秋口の乾燥した空気はのどや鼻の粘膜を傷つけやすく、炎症を起こしやすく鼻炎や喘息を起こす原因になります。春先の鼻炎と違って秋の鼻炎は気管にまで及びやすいので注意しましょう。

夏から秋に出始める、自然の恵みの果物は? やはり「梨」ではありませんか!

自然は素晴らしい養生法をプレゼントしてくれています。

水分が豊富な梨は喉の乾燥を防いでくれます。冷たいジュースも美味しいですが、梨のホットジュースはいかがですか、咳を止めたり、痰を切ったり口内炎や咽喉の乾燥に大きな効果があります。さらに、首に軽く温かいタオルを巻いたりして喉近辺の血流を良くしましょう。

病気と健康の分かれ道、未病を知ってお薬だけに頼るのではなく、恒常性を保つ自然の恵みの食養生や運動を取り入れましょう。

秋は「食欲の秋」でもあります。どうしても自制が効かなくなり、血糖値に注意しなくては。と思われる方も多いでしょう。また甘いものの誘惑に弱い方も多いでしょう。私もその一人です。

甘いケーキやお饅頭、コカ・コーラやジュース沢山飲み食いしても血糖値は一時的に高くなりますが、数時間以内には、元の数値に戻ります。これは体にとって青信号です。

それは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きによって、血糖値がうまくコントロールされるからです。要は体の中で、恒常性を保つ機能が健全に働いているからだと言えます。

でもその後、忙しさにかまけて運動をしなかったり、過度にストレスのある生活が続いたりするとどうなるでしょうか?

内臓脂肪が多くなると、だんだんと恒常性を保つ能力である「自己治癒力」が小さくなり血糖値がなかなか元に戻らない状態になります。

この、恒常性を保つ能力が小さくなった状態、あるいは元に戻る力が低下した状態を「未病」と言います。黄色の信号が点滅しています。

そこで健康診断を受けると、おそらく「糖尿病予備軍」とか「糖尿病」とお墨付きを頂き、堂々と血糖降下剤というお薬が処方されます。

そしてお薬を飲まないと「目が見えなくなりますよ」「腎不全で透析を受けなくなってしまいますよ」「足の先を切断しなくてはならなくなりますよ」と言われると不安になって、素直に血糖降下剤を飲み始めることになります。

そこからが分岐点です。

身体の恒常性を保つ機能を自然の恵みを利用して健全に働かせるか、お薬に頼ってしまうか、ここが健康と病気への境目、分かれ道です。

さあ黄信号、イエローカードが出ました。どうすれば良いか考えてみましょう。

一つ目は、あまり事態を深く考えずに、素直に薬をのみ続ける道です。非常に楽な道です。薬をのむと最初の内は容易に血糖値は下がりますから、治ったのではないかと錯覚してしまいます。ついつい油断して、食生活の是正や運動習慣を取り入れることなどは忘れてしまいます。節制などしなくても治ると思います。

薬を素直に飲んでも、それは対症療法にすぎません。膵臓のβ細胞からのインスリン分泌量が増えるわけではありません。むしろインスリンの分泌能はより悪くなって行くのです。

どうしてでしょうか?血糖降下剤をのむことによってインスリンを分泌するβ細胞はいよいよ仕事をサボるようになり、治る方向とは全く正反対の方向へ進んでしまいます。

血糖降下剤がちゃんと血糖を下げてくれるのだから、何も自分たちが一生懸命努力しなくても良いのではないかと思うのが普通ですが、そうではないようです。

本来ならば運動や食習慣の是正、ストレスに対処することなどを上手くやり続けることで自己治癒力を高め、インスリンの分泌能、もしくはインスリンの感受性を改善させなければいけないところを全く逆のことをやっているわけです。

いくら薬を飲み続けても、治るどころかさらに悪くなり、やがて血糖降下剤もあまり効かなくなり、合併症も出てきて、インスリンの注射を受け続けることになります。

そしてついには目が見えなくなったり、腎不全で透析をしなくてはいけなくなったり、足を切断しなくてはならなくなったり悲惨な状態へと進んでいきます。まさに赤信号に進むのです。

振り返って、分岐点で黄信号の時、二つ目の道を選択するとどうなるでしょうか?             つまり安易に医者に頼る前に、まず自己治癒力を高めることをいつも意識してみましょう。

今までの生活習慣を上手く変えていくように努力しましょう。少し時間はかかるかもしれませんが確実にいずれ身体は自己治癒力を高め、恒常性を働かせて、青信号に戻っていくでしょう。

これは病院に行くなとか、医者にかかるなという事ではありません。

医者に頼る前に、3千年以上の経験と知恵を持つ「未病」という東洋医学の知識を取り入れ、自ら今の自分の状態を確認し、努力をして生活習慣や考え方を是正してみることが非常に大切だと言えるのではないでしょうか。

東洋医学だけに頼るのではなく、現在の中国に見られる、東洋医学と西洋医学の良いところ、知恵を学び自分自身の健康への道を確立して行きましょう。

「未病」という言葉がきっとお分かりになったと思います。

 

 

 

 

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